制作方法を見直す理由
研究の目的は、工業製作で使われるファブリケーションを美術制作へ取り入れ、制作時間、身体的な負担、費用、技術上の問題を見直すことでした。手加工では難しい複雑な形をつくることと、同じ形を正確に繰り返しつくることに着目しました。
当時の資料では、手加工、デジタルファブリケーション、完全発注を比較しました。手加工は時間と身体的な負担が大きい一方、費用を抑えながら全体を自分で制御でき、技術が直接形に表れます。ファブリケーションは、造形の一部をデータと機械に置き換える中間的な方法です。完全発注は費用をかけて外部の技術と時間を使う方法で、作者自身の加工技術に依存しにくい構造として整理しました。
CADデータの作成、オンラインでの共有、工場・工房でのCAMデータ化、CNC加工という流れを検討しました。データ上で形を確かめれば、実物のマケットをつくるための材料費や時間を抑えられます。必要時に材料を購入・調達する仕組みは、湿気や経年変化に配慮して材料を常時保管する負担も減らします。
制作だけで時間を使い切らず、作品を人に見てもらい、知ってもらうための時間をつくることも目的でした。美術の文脈、計画、技術や人数、費用・時間を検討する流れと、2D・3DのCAD、CAM、CNC、3Dプリント、VRへとデータを変換する流れを図にして、どこを置き換えられるかを考えました。

































